チョコレートのお菓子を作ろうと思ってて、レシピを見たら「クーベルチュール」って書いてあったんだけど…
これってチョコレートのこと?
そうそう!クーベルチュールはお菓子作り用のチョコレートのことです!
え、でもスーパーにはそんなの売ってないし、専用ってことは高級で値段も高いんじゃ・・・?
そんなことは全くないですよ!高級感を出すためにパッケージに書いてあることはありますけど…
きちんとしたクーベルチュールのチョコレートにはルールがあるんです。
え、ルール?
なんだか難しそう…
はい、では、クーベルチュールについて、やさしくわかりやすく説明しますね。
ということで、最近よくクーベルチュールという言葉を見かけるようになりましたよね。
でもその意味がよくわからない。といった方も多いはず。
そんなあなたのために、クーベルチュールチョコレートについてその特徴などを解説します。
この記事を読むと
- クーベルチュールとは国際的なルールに則ったチョコである
- クーベルチュールと普通のチョコレートとの違い
- クーベルチュールチョコレートの美味しさの理由
- クーベルチュールチョコレートの種類のバリエーション
がわかるようになっています。
長めの記事となっていますので、目次から気になったところをつまみ読みしてくださいね。
チョコレートのクーベルチュールとは?徹底解説します。
クーベルチュールチョコレートとは
クーベルチュールチョコレートとは、デザートやスイーツ、お菓子などに加工する前に使われる製菓用のチョコレートのこと。
様々なお菓子や商品などに「クーベルチュール使用」と書いてあるものは、材料としてクーベルチュールを使っていますよ。という意味です。
クーベルチュールチョコレートは主に洋菓子専門店やショコラトリー(チョコ専門店)など、お菓子を専門に扱うお店や工場で使われています。
製菓用のチョコレートの中でも、高品質なチョコレートをクーベルチュールということが多い。
こんなクーベルチュールを使うことで、チョコレート独特の光沢やツヤ感、パリッと割れる食感、なめらかな口溶け感を得られます。
洋菓子店やショコラトリーで売っているボンボンショコラ、一粒数百円するようなチョコレートはクーベルチュールなしでは成り立ちません。
クーベルチュールの言葉の意味
クーベルチュール(Couverture : フランス語)には
カバー(cover)、覆いという意味があります。
もともと、このチョコレートがボンボンショコラや他のお菓子をコーティングしてカバーするためのチョコレートだったことから、この名前がつきました。
カカオの油脂分であるカカオバターを多く含んでいるので、温めて溶かした時に適度なねばり、流動性があり、サラサラとした状態のチョコレートになります。
適切な調温作業(テンパリング)を行ったクーベルチュールは、薄く伸ばすことができ、艶やかな状態の綺麗なチョコレートに仕上がります。
クーベルチュールは国際規格、ルールがある
クーベルチュールと呼べるチョコレートは国際規格のルールがあります。
国際規格のクーベルチュールにはこれらの基準を満たしていることが必要になります。
- カカオ由来の油脂分であるカカオバターが31%以上含まれること
- カカオ固形分を2.5%以上含んでいること
- カカオの油脂分とカカオ固形分を合わせた総カカオ分が35%以上含まれること
これらの厳しい基準を満たしたチョコレートだけがクーベルチュールを名乗ることができます。
チョコレートに含まれる基準を決めることで、チョコレートの品質を守ることにつながっているのです。
また、チョコレートの文化が深いヨーロッパの国などでは、カカオバター以外の油脂分を使うことは認められていなかったりします。さらに、添加物は乳化剤ではレシチンだけ、香料はバニラだけ、というルールが定められています。
日本の普通のチョコレートとクーベルチュールの違い
クーベルチュールの規格について、解説してきましたが、日本のチョコレートとはどんな違いがあるのでしょうか。
クーベルチュールと書かれていても違うものもある
クーベルチュールの規格は、あくまでも世界標準、国際規格ということにあります。
実際、日本でクーベルチュールとして販売されているチョコレートの中には、一部クーベルチュールの国際規格から外れているチョコレートも有ります。
それはなぜか。
日本には日本独自のチョコレートの規格、ルールがあるからなんです。
日本にはチョコレートの独自の規格・ルールがある
日本のチョコレートのルールには
- チョコレート
- 準チョコレート
が有ります。
それぞれ、カカオ分、脂肪分、乳脂肪分の割合を定めています。
特に、カカオ分の多い「チョコレート」規格の場合
- カカオ分が35%以上
- カカオ分が21%以上でカカオ分と乳固形分が35%以上
のどちらかを満たせばチョコレートということができます。
クーベルチュールの規格と比べると、カカオ分が35%以上というところでは共通していますが、2の場合はクーベルチュールの規格から外れてしまいます。
日本のチョコレート・準チョコレート規格については準チョコレートとチョコレートの違いって?それは成分の違いだった!に詳しく書いていますので、読むと理解が深まると思います。
クーベルチュール規格の方が厳しく高品質
日本のチョコレート規格よりも、クーベルチュールの国際規格の方が厳格な基準なんですね。
カカオ分の総量は同じですが、カカオ由来の油脂分であるカカオバターが多く含まれているため、クーベルチュール独特の口溶けや光沢が生まれます。
他の代わりの油脂を使うことで安く作ることができますが、カカオ由来の風味や食感は損なわれてしまいます。
こういった面で、クーベルチュールは、カカオ分を多く含み高品質なチョコレートなんです。
クーベルチュールチョコレートの種類
クーベルチュールチョコレートの種類
クーベルチュールチョコレートの種類には
- ダーク(スイート)
- ミルク
- ホワイト
の3種類のクーベルチュールチョコレートが有ります。
それぞれ使われている原材料に違いがあります。
ダーククーベルチュールチョコレート
ダーククーベルチュールチョコレートの原材料は
- カカオマス
- カカオバター
- 砂糖
を主に使って作られるチョコレートを
ダーククーベルチュールチョコレートと呼びます。
中には、クーベルチュールの規格を満たしたものだけを、クーベルチュールスイートチョコレートと呼ぶメーカーも有ります。
ミルククーベルチュールチョコレート
ミルククーベルチュールチョコレートの原材料は
- カカオマス
- カカオバター
- 粉乳などの乳成分
- 砂糖
を主に使って作られるチョコレートを
ミルククーベルチュールチョコレートと呼びます。
ホワイトクーベルチュールチョコレート
ホワイトクーベルチュールチョコレートは
- カカオバター
- 粉乳
- 砂糖
を主に使って作られるチョコレートを、ホワイトクーベルチュールチョコレートと呼びます。
ここで、ホワイトだけカカオマスを含まないということはクーベルチュールの規格から外れているのでは。
と疑問に思うかもしれません。
しかし、ホワイトチョコレートはクーベルチュールの規格が作られる以前からチョコレートとして扱われてきました。
そのため、慣例的にホワイトチョコレートもクーベルチュールとして扱われるようになっています。
クーベルチュールチョコレートのバリエーション
最近ではこの3種類のクーベルチュールチョコレートのバリエーションとして
- ブロンズチョコレート
- ゴールドチョコレート
- ルビーチョコレート
などが登場しています。
ブロンズ、ゴールドと呼ばれるチョコレートは、ホワイトチョコとミルクチョコの中間のようなチョコレートです。
ホワイトチョコレートをローストして、ホワイトチョコに含まれる乳成分がカラメル化させ他ものになります。
ルビーと呼ばれるチョコレートは近年ベルギーのカレボーが開発した新種のチョコレート。詳しくは【第4のチョコ】ルビーチョコレートとは。ピンク色の秘密と特徴解説。に書いています。
クーベルチュールチョコレートを作るメーカー
クーベルチュールチョコレートを作っている有名なチョコレートメーカー・ブランドは
- カレボー(ベルギー)
- ヴァローナ(フランス)
- カオカ(フランス)
- カカオバリー(フランス)
- ヴァイス(ドイツ)
- ベルコラーデ(ベルギー)
- カルマ(スイス)
- チョコビック(スペイン)
- 大東カカオ(日本)
- 森永(日本)
などが挙げられます。
ここにあげたのは有名なメーカー・ブランドのごく一部で、この他にもいくつも有名なチョコレートメーカー・ブランドがあります。
どのメーカー・ブランドをとても高品質なクーベルチュールチョコレートを作っています。何の気無しに食べているチョコレート菓子ももしかしたら、これらのメーカーで作られたチョコレートが使われているかもしれません。
メーカー・ブランドによっては、カカオ栽培から手がけ、産地の農場主にカカオの生産方法の指導を行い、原材料となるカカオからチョコレートまで一貫した管理のもと生産するメーカーもあります。
ブランドごとによって、味わいに特徴があり、メーカー・ブランドごとに食べ比べるのも面白いですね。
クーベルチュールについての疑問に答えます。
クーベルチュールチョコレートについて、想定される質問に答えます。
疑問①:クーベルチュールって高級品?
クーベルチュールチョコレートは、一般的に高級品のイメージがあると思いますが
一概にクーベルチュールであるから高級。ということはない。と思います。
製菓用のチョコレートとしては、高価なものから、割と安いものまで様々です。
ですが、一般に流通する際には、卸業者から小売店まで数カ所の業者を通ってくるため、価格が上がりやすい。
またチョコレート自体が高級品というイメージから、中間マージンも結構上乗せされていると思います。
プロである洋菓子店の立場でクーベルチュールを購入すると、商品にもよりますが1kgあたり1500円〜5000円くらいまで様々有ります。
疑問②:一般人でもクーベルチュールって買える?
もちろん購入できます。
自分で手作りをするときのステップアップに、クーベルチュールチョコレートを使ってみてはいかがでしょうか。
余ってもそのまま食べることができますし、チョコレートそのものの味わいを試してみたり、銘柄ごとの香りや味わいの違いを比べてみたり。新しいチョコレートの発見が有りますよ。
おすすめのクーベルチュールチョコレート
実際に私がよくお店で使っている、美味しいオススメのクーベルチュールをセレクトしました!
ダーク・スイート クーベルチュールチョコレート
フランスのヴァローナのシンプル、スタンダードなダークチョコです。カカオ分55%でどんなお菓子にも使いやすい。
フランスのカオカのチョコレート。カオカのチョコレートはオーガニック。エクアドル産のカカオから作られたチョコレートで、フルーティーな赤い実のような酸味としっかりとした苦味が特徴。70%のハイカカオチョコレート。
ミルク クーベルチュールチョコレート
ベルギーのカレボー。日本人が好きなミルキーでほんのりキャラメル感のあるミルクチョコレート。流動性もよく、コーティングにも、お菓子にも使いやすい万能タイプ。
ちょっと割高になりますが、使いやすい300gタイプをチョイスしておきました。
ホワイト クーベルチュールチョコレート
またこちらもカレボー。フレッシュな牛乳をふんだんに使ったホワイトチョコレート。どんなフルーツと合わせても、ミルク感がしっかりと感じられるのが特徴。
クーベルチュールチョコレート まとめ
クーベルチュールチョコレートについて、解説してきましたが、いかがでしたでしょうか。
最後にまとめると
- クーベルチュールはチョコレートの国際規格
- カカオ分が35%以上入ったリッチなチョコレート
- 日本ではクーベルチュールと言っても日本の規格がある
- クーベルチュールを作るメーカー・ブランドは世界中にたくさんある
- クーベルチュールは高級品、というわけではない。普通に買える。
という感じですね。
奥の深いチョコレートの世界、クーベルチュールと一口に言ってもこれだけの広がりがあるんです。
街でクーベルチュールの文字を見つけたら、どんなチョコのお菓子なのか、思い出してくれたら嬉しいです。
めちゃ長くてなんだか読むの疲れちゃった…
ああ、ごめんなさい!チョコ大好きなので
つい、アツくなっちゃいました💦
でもお菓子作り用のチョコで、特別高級品ではないってことは、よく分かりました!
よかったです!
じゃ、すこしチョコ食べながらティータイムにしましょうか♪
というわけで、めちゃくちゃ長くなってしまったので、今回はここまで。
読んでいただいてありがとうございました♪